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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
ために、その少年は太《いた》く煩い附いたという。
そんなこんなで、其処が魔所だの風説は、近頃一層甚しくなって、知らずに大崩壊《おおくずれ》へ上るのを、土地の者が見着《みつ》けると、百姓は鍬を杖支《つえつ》き、船頭は舳《みよし》に立って、下りろ、危い、と声を懸ける。
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