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『貝の穴に河童の居る事』
青空文庫
前へ立った漁夫《りょうし》の肩が、石段を一歩出て、後《うしろ》のが脚を上げ、真中《まんなか》の大魚の鰓《あご》が、端を攀《よ》じっているその変な小男の、段の高さとおなじ処へ、生々《なまなま》と出て、横面《よこづら》を鰭《ひれ》の血で縫おうとした。
その時、小男が伸上るように、丸太棒の上から覗いて、
「無慙《むざん》や、そのざまよ。」
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