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 『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む

 湯にも入つた。
 さて膳だが、――蝶足の上を見ると、蕎麦扱にしたは気恥かしい。わらさの照焼はとにかくとして、ふつと煙の立つ厚焼の玉子に、椀が真な半ぺんの葛かけ、皿についたのは、此のあたりで佳品と聞く、鶫を、何と、頭を猪口に、股をふつくり、胸を開いて、五羽、殆ど丸焼にして芳しくつけてあつた。

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