検索結果詳細


 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

 音はと思ふに、きりはたりする声は聞えず、山越えた停車場の笛太鼓、大きな時計のセコンドの如く、胸に響いてトゝンと鳴る。
 筋向ひの垣根の際に、此方を待ち受けたものらしい、鍬を杖いて立つて、莞爾ついて、のつそりと親仁あり。
「はあ、もし今帰らせえますかね。」

 22/444 23/444 24/444


  [Index]