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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
と、法師は眼を〓《みは》って固唾を呑む。
「吃驚亀《びっくりかめ》の子、空へ何と、爺《じじい》どのは手を泳がせて、自分の曳いた荷車に、ぐゎらぐゎら背後《うしろ》から押出されて、わい、というたぎり、一呼吸《ひといき》に村の取着《とッつ》き、あれから、この街道が鍋づる形《なり》に曲ります、明神様、森の石段まで、ひとりでに駆出しましたげな。
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