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『婦系図』
青空文庫
「では……」
茶店の婆さんというのが、式《かた》のごとく古ぼけて、ごほん、と咳《せ》くのが聞えるから、夫人は余り気が進まぬらしかったが、二三人子守女《もりっこ》に、きょろきょろ見られながら、ずッと入る。
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