検索結果詳細


 『婦系図』 青空文庫

 と重そうな頭《かぶり》を掉《ふ》って、顔を横向きに杖を上げると、尖《さき》がぶるぶる震う。
 こなたに腰掛けたまま、胸を伸して、早瀬が何か云おうとした、(構わず休らえ、)と声を懸けそうだったが、夫人が、ト見て、指を弾いて禁《と》めたので黙った。
「そんなら帰りに寄りなされ、気をつけて行かっしゃいよ。」

 2497/3954 2498/3954 2499/3954


  [Index]