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 『逢ふ夜』 従吾所好

「可厭ねえ。」
 と悄乎俯向く、トくつきりと襟がい。
 実は大病だつたので、親許へ帰つて養生して、最う此のくらゐにまでも快く成つたが、まだ、枕に着いて居る分で、抱主の方へは帰らないから、義理で、晴れて逢はれぬのである。

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