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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
嘉吉をどう始末さっしゃるか、それを見届けよう、という、爺《じじい》どのの了簡でござります。
荷車はの、明神様石段の前を行けば、御存じの三崎街道、横へ切れる畔道が在所の入口で
ござ
りますで、其処へ引込んだもので
ござ
ります。人気も穏なり、積んだものを見たばかりで、鶴谷様御用、と札の建ったも同一《おなじ》じゃで、誰も手の障《さ》え人《て》は
ござ
りませぬで。
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