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 『婦系図』 青空文庫

「それとも一円に幾干だね、それから聞いて屋賃の処を。」
「もう、私は、」と堪りかねたか、早瀬の膝をハタと打つと、らめた顔を手巾《ハンケチ》で半ば蔽いながら、茶店を境内へ衝《つっ》と出る。


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