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 『海神別荘』 華・成田屋

公子  じゃ、その枝珊瑚を波に返して、約束を戻せば可かった。
女  いいえ、ですが、もう、海の幸も、枝珊瑚も金銀に代り、家蔵に代っていたのでございます。
公子  可(よし)、その金銀を散らし、施し、棄て、蔵を毀(こぼ)ち、家を焼いて、もとの破蓑(やれみの)一領、網一具の漁民となって、娘の命乞(いのちごい)をすれば可かった。

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