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 『国貞えがく』 青空文庫

 固《もと》より口実、狐が化けた飛脚でのうて、今時町を通るものか。足許を見て買倒した、十倍百倍の儲《もうけ》が惜《おし》さに、貉が勝手なことを吐《ほざ》く。引受けたり平吉が。
 で、この平さんが、古本屋の店へ居直って、そして買戻してくれた錦絵である。
 が、その後、折を見て、父が在世の頃も、その話が出たし、織次も後に東京から音信《たより》をして、引取ろう、引取ろうと懸合うけれども、ちるの、びるので纏まらず、追っかけて追詰《せりつ》めれば、片音信《かただより》になって埒が明かぬ。

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