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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
髪が長けりゃ女じゃ、と合点して、さかりのついた犬同然、珠を頂いた御恩なぞも、新屋の姉えに、藪の前で、牡丹餅半分分けてもろうた了簡じゃで、のう、食物《たべもの》も下されば、お情も下さりょうぐらいに思うて、こびりついたでござります。
弁天様の御姿にも、蠅がたかれば、お鬱陶しい。
通りがかりに唯見ては、草がくれの路というても、旱に枯れた、岩の裂目《さけめ》とより見えませぬが、」
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