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 『婦系図』 青空文庫

 お妙は時に、小芳の背後《うしろ》で、内証《ないしょう》で袂を覗いていたが、細い紙に包んだものを出して気兼ねそうに、
「小さん、あの、お蔦さんが煩らっていらっしゃる事は、私は知らなかったんですから、お見舞じゃないの、あのね、あの、お土産に、私、極りが悪いわ。何にも有りませんから、毛糸で何か編んで上げようと思ったのよ。

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