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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
きゃっ! というと刎返って、道ならものの小半町《こはんちょう》、膝と踵で、抜いた腰を引摺るように、その癖、怪飛《けしと》んで遁げて来る。
爺《じじい》どのは爺どので、息を詰めた汗の処へ、今のきゃあ! で転倒して、わっ、というて山の根から飛出す処へ、胸を頭突《づつき》に来るように、ドンと嘉吉が打附《ぶつか》ったので、両方へ間を置いて、この街道の真中へ、何と、お前様、見られた図でござりますか。
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