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『国貞えがく』
青空文庫
「手前じゃ、まあ、持物と言ったようなものの、言わばね、織さん、何んですわえ。それ、貴下《あなた》から預かっているも同然な品なんだから、出入れには、自然、指垢、手擦《てずれ》、つい汚れがちにもなりやしょうで、見せぬと言えば喧嘩になる……弱るの何んの。そこで先ず、貸したように、預けたように、余所の蔵に秘《しま》ってありますわ。ところが、それ。」
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