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 『天守物語』 泉鏡花を読む

夫人 今度は、播磨が申しきけても、決して来てはなりません。此処は人間の来る処ではないのだから。――また誰も参らぬやうに。
図書 いや、私が参らぬ以上は、五十万石のご家中、誰一人参りますものはございますまい。皆生命《いのち》が大切でございますから。
夫人 お前は、そして、生命は欲《ほし》うなかつたのか。

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