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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

鯰入《ねんにゅう》。花道より、濃い鼠すかしの頭巾《ずきん》、面《つら》一面に黒し。白き二根《にこん》の髯《ひげ》、鼻下より左右にわかれて長く裾《すそ》まで垂る。墨染の法衣《ころも》を絡《まと》い、鰭《ひれ》の形したる鼠の足袋。一本《ひともと》の蘆《あし》を杖《つえ》つき、片手に緋総《ひぶさ》結びたる、しき文箱《ふばこ》を捧げて、ふらふらと出で来《きた》る。

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