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 『春昼』 泉鏡花を読む

 そちこち、気長に金子にして、やがて船一艘、古物を買ひ込んで、海から薪炭の荷を廻し、追々材木へ手を出しかけ、船の数も七艘までに仕上げた時、すつぱりと売物に出して、さて、地面を買ふ、店を拡げる、普請にかゝる。
 土台が極ると、山の貸元になつて、坐つて居て商売が出来るやうになりました、高利は貸します。
 どかとした山の林が、あの裸になつては、店さきへすく/\と並んで、いつの間にか金を残しては何処へか参る。

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