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 『五大力』 従吾所好

「花の霞む春の日に?……」
「えゝ、直き其処の弁天様へお詣〈まゐり〉なすつて、お帰りがけに、此の裏路を通つたぢやありませんか、私よく見て知つて居ますわ……」
 と云ふ、何故か沈んだ言〈ものいひ〉であつた。

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