検索結果詳細


 『五大力』 従吾所好

「えゝ、直き其処の弁天様へお詣〈まゐり〉なすつて、お帰りがけに、此の裏路を通つたぢやありませんか、私よく見て知つて居ますわ……」
 と云ふ、何故か沈んだ言〈ものいひ〉であつた。
「でもね、昼間でしたから、うつかり声なんぞ掛けては、お悪からうと思つて、黙つて、密とお見送り申しましたの。些ともお変りなさらないわねえ、羨しい事。

 317/1139 318/1139 319/1139


  [Index]