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 『春昼』 泉鏡花を読む

「けれども、石段だけも、婀娜な御本尊へは路が近うなつてございますから、はゝはゝ。
 実の処仏の前では、何か私が自分に懺悔でもしまするやうで心苦しい。此処でありますと大きに寛ぐでございます。
 師のかげを七尺去ると最うなまけの通りで、困つたものでありますわ。

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