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 『春昼』 泉鏡花を読む

「御堂の中では何んとなく気もあらたまります。此処でお茶をお入れ下すつた上のお話ぢや、結構過ぎますほどですが、あの歌に別れて来たので、何んだかなごり惜い心持もします。」
「けれども、石段だけも、婀娜な御本尊へは路が近うなつてございますから、はゝはゝ。
 実の処仏の前では、何か私が自分に懺悔でもしまするやうで心苦しい。此処でありますと大きに寛ぐでございます。

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