検索結果詳細
『春昼』
泉鏡花を読む
「御堂の中では何んとなく気もあらたまります。此処でお茶をお入れ下すつた上のお話ぢや、結構過ぎますほどですが、あの歌に別れて来たので、何んだかなごり惜い心持もします。」
「けれども、石段だけも、婀娜な御本尊へは路が近うなつて
ござ
いますから、はゝはゝ。
実の処仏の前では、何か私が自分に懺悔でもしまするやうで心苦しい。此処でありますと大きに寛ぐでございます。
329/628
330/628
331/628
[Index]