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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 おなじように、憑物がして、魔に使われているようで、手もつけられず、親たちがうろうろしますの。村方一同寄ると障《さわ》ると、立膝に腕組するやら、平胡座で頬杖つくやら、変じゃ、希有じゃ、何でもただ事であるまい、と薄気味を悪がります。
 中でも、ほッと溜息ついて、気に掛けさっしゃったのが、鶴谷喜十郎様。」
 と丁寧に、また名告《なの》って、姥は四辺《あたり》を見たのである。

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