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 『歌行燈』 従吾所好

恁う、悪く言ふんぢやないぜ……其処へぬつくりと顕れたらう、酔つて居る、幻かと思つた。」
「真個に待兼ねて居なさつたえ。あの、笛の音ばかり気にしなさるので、私も何うやら解〈よ〉めなんだが、漸と分つたわな、何んともお待遠でござんしたの。」

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