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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
「童唄を聞かっしゃりまし――(秋谷邸の細道じゃ、誰方が見えても通しません)――と、の、それ、」
小次郎法師の頷くのを、合点させたり、と熟《じっ》と見て、姥はやがて打頷き、
「……でござりましょう。先ず、この秋谷で、邸と申しますれば――そりゃ土蔵、白壁造、瓦屋根は、御方一軒ではござりませぬが、太閤様は秀吉公、黄門様は水戸様でのう、邸は鶴谷に帰《き》したもの。
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