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 『縁結び』 青空文庫

 ト同じ燈籠《とうろう》を手に提《さ》げて、とき色の長襦袢《ながじゅばん》の透いて見える、羅《うすもの》の涼《すず》しい形《なり》で、母娘連《おやこづれ》、あなたの祖母《おばあさん》と二人連で、ここへ来なすったのが、姉さんだ。
 やあ、占《し》めた、と云うと、父親《おやじ》が遠慮なしに、お絹《きぬ》さん――あなた、様《おっかさん》の名は知っているかい。」
 突俯《つッぷ》したまま、すねたように頭《かぶり》を振った。

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