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 『婦系図』 青空文庫

 共に清水港の別荘に居る、各々《めいめい》の夫は、別に船をしつらえて、三保まわりに久能の浜へ漕ぎ寄せて、いずれもその愛人の帰途《かえり》を迎えて、夜釣をしながら海上を戻る計画。
 小児《こども》たち、幼稚《おさな》いのは、傅《もり》、乳母など、一群《ひとむれ》に、今日は別荘に残った次第。すでに前にも言ったように、この発議は英臣で、真前《まっさき》に手を拍《う》って賛成したのは菅子で、余は異論なく喜んで同意したが、島山夫人は就中得意であった。

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