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 『泉鏡花自筆年譜』 泉鏡花を読む

 大正六年九月、「天守物語」新小説。
 大正七年六月、「鴛鴦帳」至善堂より、新作単行。前年の春、書肆より前借して、多日稿成らず。作者酒間に鬱ぐを見て、上瀧太郎氏、我が小遣其の額に余る、金子を返せと言ふ。厚誼と意気に且つ感じて、草稿すすみぬ。

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