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『五大力』
従吾所好
さあ、其のかはりに成る顔も形もの、同時〈いつしよ〉に茫として……自分の覚えにある姿が、絵のやうに空へは顕れないと同じに、急に見えなく成つた。
ふと声もしないから暗中〈くらやみ〉へ探りをいれたが、右の覚束ない足許で、婦に寄掛るやうにして歩行いて居たんだから、然う成ると立竦みで、
(今は何うして居るえ?つた処で、余計な事だらうね……まあ、何処に居るんだね……)
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