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 『薬草取』 青空文庫

 旧《もと》へ帰るか、倶利伽羅峠《くりからとうげ》へ出抜《でぬ》けますれば、無事に何方《どちら》か国へ帰られます。それでなくって、無理に先へ参りますと、終局《しまい》には草一条《くさひとすじ》も生えません焼山《やけやま》になって、餓死《うえじに》をするそうでございます。
 本当に貴方《あなた》がおっしゃいます通り、樵夫《きこり》がお教え申しました石は、飛騨《ひだ》までも末広《すえひろ》がりの、医王の要石《かなめいし》と申しまして、一度踏外《ふみはず》しますと、それこそ路がばらばらになってしまいますよ。」

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