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『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む
「いえ、当家の料理人にございますが、至つて不束でございまして。……それに、斯やうな山家辺鄙で、一向お口に合ひますものでございませんで。」
「飛んでもないこと。」
「つきまして、……唯今、女どもまでおつしやりつけでございましたが、鶫を貴方様、何か鍋でめしあがりたいといふお言で、如何やうにいたして差上げませうやら、右、女どもも矢張り田舎ものゝ事でございますで、よくお言がのみ込めかねます。ゆゑに失礼ではございますが、一寸お伺ひに出ましてございますが。」
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