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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

白雪 あんな気の長い事ばかり。あこがれ慕う心には、冥土《よみじ》の関を据えたとて、夜《よ》のあくるのも待たりょうか。可《よ》し、可し、衆《みな》が肯《き》かずば私が自分で。(と気が入る。)
椿 あれ、お姫様。
姥 これは何となされます……取棄てて大事ない鐘なら、お前様のお手は待たぬ……身内に仰せまでもない。何、唐銅《からかね》の八千貫、こう痩《や》せさらぼえた姥が腕でも、指で挟んで棄てましょうが、重いは義理でござりまするもの。

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