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『夜叉ヶ池』
青空文庫
椿 あれ、お姫様。
姥 これは何となされます……取棄てて大事ない鐘なら、お前様のお手は待たぬ……身内に仰せまでもない。何、唐銅《からかね》の八千貫、こう痩《や》せさらぼえた姥が腕でも、指で挟んで棄てましょうが、重いは義理で
ござ
りまするもの。
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