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『日本橋』
青空文庫
食べると水膨んだよ。……あの上|水膨れちゃ、御当人より傍のものが助からないよ。人が乾殺しでもするように、陰へ廻っちゃ出過ぎたがる。姉さんもまた、人聞きの悪いほど、何だかだって食べたがる。精々何にも当飼わないで、咽喉腹を乾しとかないと、この上また何かの始末でもさせられるようじゃどうすると思うんだ。」
清葉は睫毛に露を押えて、二階の陽炎の光るのを見た。――扇は澄まして舞うのである。
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