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『五大力』 従吾所好
「ねえ、何年ぶりかで、其処で逢つて、暗がりで口を利いた、其切、仔細も素性も分らなく成つて了つたが、其の時はまさか然うとは思はなかつたけれども、日が経つと今ぢや何だか幽霊ででもあつたやうで、話しても悚然〈ぞつ〉とするがね、……私の話しただけの様子で、君たちは何う思ふ。」
茶飯屋は、大道行火に噛着いたなりで、
「世間押しごとは申されぬ、如何様、然やうな事もございましよ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」
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