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 『五大力』 従吾所好

 茶飯屋は、大道行火に噛着いたなりで、
「世間押しごとは申されぬ、如何様、然やうな事もございましよ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」
「可厭だ……気が早いな親仁さん、富岡門前の夜商人がお念仏を唱へちやはじまらねえぢやねえか。折角の茶めしが針に成つて、咽喉へは通らねえ。又熱燗で掻込むだ、いぢけねえで、燗〈つ〉けてくんねえ。へい、それから、旦那、」

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