検索結果詳細


 『婦系図』 青空文庫

 いつもの向顱巻《むこうはちまき》が、四五日陽気がほかほかするので、ひしゃげ帽子を蓮の葉かぶり、ちっとも涼しそうには見えぬ。例によって飲《き》こしめした、朝から赤ら顔の、とろんとした目で、お蔦がそこに居るのを見て、
「おいでなさい、奥様《おくさん》、へへへへへ。」
「お止《よ》しってば、気障《きざ》じゃないか。お源もまた、」

 41/3954 42/3954 43/3954


  [Index]