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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 何時となく、仏の御名を唱えるのにも遠ざかって、前刻《さっき》も、お前ね。
 実は此処に来しなであった。秋谷明神という、その森の中の石段の下を通って、日向の麦畠へ差懸ると、この辺には余り見懸けぬ、十八、九の色な娘が一人、めりんす友染の襷懸け、手拭を冠って畑に出ている。

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