検索結果詳細


 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 途中すがらもその若い人たちを的に仏名を唱えましょう。木賃の枕に目を瞑ったら、なお歴然《ありあり》、とその人たちの、姿も見えるような気がするから、一層よく念仏が申されようと考える。
  聞かしておくれの、お婆さん、お前は善智識、というても可い、私は夜通しでも構わんが。
 余《あんま》り身を入れて話をする――聞く――していたので、邪魔になっては、という遠慮か、四、五人此方《こっち》を覗いては、素通《すどおり》をしたのがあります。

 428/1510 429/1510 430/1510


  [Index]