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 『春昼後刻』 泉鏡花を読む

 散策子はむくと起きて、ひそかに其の幸福を祝するのであつた。
 あとで聞くと、小児心にもあまりの嬉しさに、此一幅の春のに対して、報恩の志であつたといふ。一旦出て、浜へ上つて、寝た獅子の肩の処へしやがんで居たが、対手が起返ると、濡れた身体に、頭だけ取つて獅子を被いだ。

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