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『歌行燈』
従吾所好
取着きに、肱を支いて、怪しく正面に眼の光る、悟つた顔の達磨様と、女の顔とを、七分三分に狙ひながら、
(此の辺に宗山ツて按摩は居るかい。)と此処で実は様子を聞く気さ。押懸けて行かうたつて些とも勝手が知れないから。
(先生様かね、いらつしやります。)と何と、(的等。)の一人に、先生を、然も、様づけに呼ぶだらう。
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