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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 縁側に居た白痴は誰も取合ぬ徒然に絶へられなくなつたものか、ぐた/\と膝行出して、婦人の傍へ其便々たる腹を持つて来たが、崩れたやうに胡座して、頻に恁う我が膳を視めて、指をした。
(うゝ/\、うゝ/\。)
(何でございますね、あとでお食んなさい、お客様ぢやあありませんか。)

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