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 『義血侠血』 青空文庫

「おまえさんどうもお強い。よく血の道が発《おこ》りませんね。平気なものだ、女丈夫《おとこまさり》だ。私なんぞはからきし意気地はない。それもそのはずかい、もう五十八だもの」
 その言《ことば》の訖《お》わらざるに、車は凸凹路を踏みて、がたくりんと跌《つまず》きぬ。老夫《おやじ》は横様に薙仆《なぎたお》されて、半ば禿げたる法然頭はどっさりと美人の膝に枕せり。

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