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『春昼』
泉鏡花を読む
蝶の目からも、余りふは/\して見えたでござらう。小松の中をふらつく自分も、何んだか其の、肩から上ばかりに、裾も足もなくなつた心地、日中の妙な蝙蝠ぢやて。
懐中から本を出して、
蝋光高懸照紗空、 らふくわうたかくかゝりしやをてらしてむなし
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