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『天守物語』
泉鏡花を読む
桃六 美しい人たち泣くな。(つか/\と寄つて獅子の頭を撫で)先づ、目をあけて進ぜよう。
火打袋より一挺の鑿を抜き、双の獅子の眼に当つ。
――夫人、図書とともに、あつと云ふ――
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