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 『春昼』 泉鏡花を読む

端の歩が附木、お定りの奴で。
 用なしの身体ゆゑ、客人が其処へ寄つて、路傍に立つて、両方とも矢鱈に飛車角の取替へこ、ころり/\差違へる毎に、ほい、ほい、と言ふ勇ましい掛声で。おまけに一人の親仁なぞは、媽々衆が行の間、引渡されたものと見えて、小児を一人胡坐の上へ抱いて、雁首を俯向けに銜へ煙管。

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