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 『歌行燈』 従吾所好

 此方から、あの、お座敷を掛けて下さいますと、何うでせう、炬燵で温めた襦袢を着せて、東京のお客ぢやさうなと、な、取つて置きの着物を出して、能う勤めて帰れや言うて、御主人が手で、駒下駄まで出すんです。
 勤めるたつて、何うしませう……踊は立つて歩行くことも出来ませんし、三味線は、其が姉さん、手を当てれば誰にだつて、音のせぬ事はないけれど、弾いて聞かせとおつしやるもの、どうして私唄へます。……

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