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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
と年寄は真顔に成り、見上げ皺を沢山《たんと》寄せて、
「何を貴方、勿体もない。私《わし》もはい法然様拝みますもので
ござ
ります。吝嗇坊《しわんぼう》の柿の種が、小判小粒になればというて、御出家に土の団子を差上げまして済むもので
ござ
りますかよ。」
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