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 『義血侠血』 青空文庫

 みなこれ屈竟の大男《おおおのこ》、いずれも手拭いに面を覆《つつ》みたるが五人ばかり、手に手に研ぎ澄ましたる出刃庖丁を提《ひさ》げて、白糸を追っ取り巻きぬ。
 心剛《こころたしか》なる女なれども、渠はさすがに驚きて佇《たたず》めり。狼藉者の一個《ひとり》は濁声《だみごえ》を潜めて、
「おう、姉さん、懐中《ふところ》のものを出しねえ」

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